ラウンドが終わり、スコアカードを眺めながら「あのOBさえなければ」と考えてしまう。
これは、のぶた自身が何度も繰り返してきたことです。
18番までプレーを終えて、パッと合計スコアを見た瞬間、真っ先に思い出すのは決まって一番痛かった一打。
あのOBさえなければ90が切れていたのに、あの3パットさえなければ——。そうやって、結果だけを見て一喜一憂するラウンドを何年も続けていました。
けれど、こうした「たられば」の後悔は、次のラウンドにはほとんどつながりません。
同じような場面が来たとき、また同じ判断をしてしまうからです。
上手くなる人とそうでない人の差は、実はラウンド後の数分間、何を反省しているかにあるのではないでしょうか。
反省とは、自分のミスを責めることではない
「反省」と聞くと、多くの人は「後悔」を思い浮かべます。
- あそこでOBを打たなければ
- あのパットさえ入っていれば
- なんであんな球を打ってしまったんだろう
これらはすべて、起きてしまった結果に対する感情です。
感情としては自然なものですが、これだけで終わってしまうと、次のラウンドに活かせる情報は何も残りません。
ただ落ち込んで、そして忘れていくだけです。
一方で、次につながる反省とは「その一打をもう一度打つとしたら、同じ判断をするか」を問い直す作業です。
結果に対する感情ではなく、その場面での判断そのものに目を向ける。
この違いが、上達するかどうかを大きく分けるのではないでしょうか。
ナイスショットかどうかより、判断が正しかったか
ここで見落とされがちなのが、「結果」と「判断」は別ものだということです。
例えば、グリーン奥がOBのホールで、ピンが奥に切ってあるとします。
強気にピン方向を狙い、たまたま手前に少し外れてナイスオン。
結果は良い一打ですが、もし少しでも大きくなっていればOBだった、という一打です。
逆に、林の中からセンター方向へ安全に刻んだものの、木に当たってあらぬ方向へ跳ね、結果的に苦しい状況になった一打もあります。
結果は悪くても、判断そのものは間違っていません。
前者を「ナイスショット」、後者を「ミスショット」とだけ記録してしまうと、実際には見直すべきは前者の判断の方だったのに、それが見過ごされてしまいます。
結果の良し悪しではなく、その状況でその判断が妥当だったかどうかを振り返ることが必要です。
大叩きは、どの一打から始まったのか
ダブルボギーやトリプルボギーを打ったホールを振り返るときも、多くの人は最後のミス、つまり一番目立つ一打にだけ注目しがちです。
しかし、大叩きの原因は、たいてい最後の一打より前にあります。
ティショットで無理に狙った方向、セカンドでの強気なクラブ選択、寄せる場面での判断——。
どこかの一打で流れが崩れ始め、それを取り返そうとした結果、最後にもう一段階ミスが重なる、というのが典型的な大叩きの構造です。
そのホールを振り返るときは、「最後にミスした一打」ではなく、「そもそも、どの一打から崩れ始めたのか」を探ってみてください。最初のズレを見つけられれば、次に同じような状況になったときの判断を変えることができます。
一番悔しかったミスより、繰り返したミスを見る
ラウンド後、記憶に強く残るのは、感情的に一番悔しかった一打です。しかし、それが必ずしも一番重要な振り返りポイントとは限りません。
一度きりのミスよりも注目すべきは、「何度も繰り返しているミス」です。例えば、
- 今日だけでなく、ここ数回のラウンドでも同じ距離のパットを外している
- 特定の番手のアイアンで、いつも同じ方向にミスしている
- 林やバンカーからのリカバリーで、毎回同じ判断ミスをしている
こうした「再現性のある傾向」こそが、本当の課題です。
一番悔しかった一打は感情に残りやすいだけで、たまたま起きた一度きりのミスかもしれません。
感情ではなく、繰り返しのパターンに目を向けることで、次の練習やコースマネジメントで直すべき優先順位が見えてきます。
ミスをしたあとの行動に、その人の課題が出る
もう一つ振り返っておきたいのが、ミスをした直後の行動です。
アマチュアゴルファーによくあるのが、ミスをした一打を取り返そうとして、さらに傷口を広げてしまうパターンです。
ティショットが林に入った後、無理に狭い隙間を狙ってグリーンを直接攻めようとし、結果としてさらに深い場所へ打ち込んでしまう。
あるいは、寄せをミスした直後、次のパットで強引に沈めようとして、逆に大きくオーバーしてしまう。
一打のミス自体は、ゴルフをしている以上避けられません。
しかし、そのミスの後にどう振る舞うかは、練習と意識で変えられる部分です。
ミスをした後、冷静に「ここはボギーでよい」と切り替えられたか、それとも取り返そうとして無理をしたか。
ここを振り返ることで、自分の判断のクセが見えてきます。
良かった判断も振り返る
反省というと、どうしても失敗ばかりに目が向きがちです。しかし、良かった判断を振り返ることも、同じくらい重要です。
例えば、
- ドライバーを持たずに刻めた
- ピンを狙わずセンターへ打てた
- 林から横へ出せた
- ボギーでよいと切り替えられた
こうした判断は、スコアには直接表れにくいものです。ナイスショットのように記憶にも残りにくく、振り返りの対象から漏れがちです。
しかし、これらはまさに「上手くなるための判断」ができた瞬間です。
良かった判断も記録しておくことで、次のラウンドでも同じ判断を再現しやすくなります。
反省とは失敗を数えることではなく、良かったことも含めて、次に再現すべき判断を整理する作業です。
反省したことを、次のラウンドの目標に変える
最後に、振り返って見つかった反省点は、一つか二つに絞り込みましょう。
- 次回は、林から必ず横へ出す
- 150ヤード以上は、グリーンセンターを狙う
- ミスの次の一打では、取り返そうとしない
このように、具体的な行動として次のラウンドの目標に変換します。反省がぼんやりした感想のままで終わると、次のラウンドでもまた同じ場面で同じ判断をしてしまいます。
悪い結果=悪い判断ではない、良い結果=良い判断でもない
ここまでの内容を一言でまとめると、次のようになります。
悪い結果=悪い判断ではない。良い結果=良い判断でもない。
たまたま池越えが成功した一打を「ナイスプレー」と評価してしまうと、次回も同じ無理な攻め方を選び、今度は池につかまってしまうかもしれません。結果だけを見て判断を評価すると、危険な選択を「成功体験」として上書きしてしまう危険があります。
反対に、安全な場所を狙ったボールがたまたま大きく曲がってしまったとしても、結果はボギーであっても、その判断そのものを変える必要はありません。むしろ、その判断は次のラウンドでも繰り返すべきものです。
ラウンド後にスコアカードを見るとき、結果の良し悪しだけでなく、「その判断は正しかったか」という視点を一つ加えてみてください。
この視点の積み重ねが、ラウンドごとの反省を、本当の意味での上達につなげてくれます。
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