練習するたびに違うことを試していませんか?
のぶたです。
YouTubeを開くと、次から次へと試したくなるスイング理論が出てきます。
前傾角度、テークバック、手首の使い方、右肘の位置、体重移動、切り返し、インパクトの形。
どれも「これを直せば変わる」といった魅力的なタイトルが付いていて、つい見入ってしまいます。
そして練習場へ行くたびに、違うことを試している自分がいます。
前回取り組んだことがまだ身についていないのに、新しい動画で見つけた方法を試してしまう。数球うまく当たると「これだ」と思うのに、次の練習で当たらなくなると、また別の方法を探し始める。
上達したくて情報を集めているはずなのに、情報が増えるほど自分のスイングが分からなくなる。
そんな経験があるのは、私だけではないと思います。
結論|新しいことを試すのが悪いわけではない
先に結論を書いておきます。
ゴルフでは、自分に合う方法を探すための試行錯誤が欠かせません。
新しい練習方法を試すこと自体は、まったく悪いことではありません。
むしろ、さまざまな考え方に触れ、自分に合うものを探すことは大切です。
問題なのは、一度や二度うまく打てなかっただけで「これは違う」と判断し、すぐに次の方法へ移ってしまうことです。
練習するたびに違うことを試していると、何が良くて何が悪かったのか、自分でも分からなくなります。
大切なのは、一つの課題に一定期間取り組み、結果を確認してから、続けるのか、修正するのか、やめるのかを判断することです。
「変えないこと」が目的ではありません。
「変えた結果を、あとから検証できる状態にしておくこと」が目的です。
なぜ毎回違うことを試すと上達が遅れるのか?
1.一時的な違和感を「自分には合わない」と判断してしまう
スイングを変えると、多くの場合は最初に違和感があります。
これまでとは違う動きをするため、すぐにナイスショットが出ないことも珍しくありません。
その違和感だけで「自分には合わない」と判断すると、新しい動きが身につく前にやめることになります。
もちろん、本当に自分に合っていない可能性もあるため、どんな練習でも無理に続ければよいという話ではありません。
ただし、「本当に合っていないのか」「まだ動きに慣れていないだけなのか」これを見極めるには、ある程度の時間が必要です。
数球打っただけで判断してしまうと、自分に合う可能性があった方法まで捨てることになります。
2.何が良くなったのか分からなくなる
アドレス、テークバック、ボール位置、グリップなどを一度に変えてしまうと、良いショットが出ても、どの変更が理由だったのか分かりません。
反対に、悪いショットが出たときも、何が原因だったのか判断できません。
一度に変える要素が多いほど、結果の原因は見えにくくなります。
結局、良かったのか悪かったのかさえ、あいまいなまま練習が終わってしまいます。
何かを変えるのであれば、まずは一つに絞る。
その方が、変える前と後を比較しやすくなります。
3.自分の基準となるスイングがなくなる
練習するたびに打ち方を変えていると、ラウンド中にショットが乱れたとき、戻る場所がなくなります。
完璧なスイングである必要はありません。
それでも、自分の基準となるアドレス、リズム、狙い方などは持っておきたいところです。
ラウンド中に、「今日はどの打ち方だったかな?」と考え始めると、迷いはさらに深くなります。
ゴルフでは、18ホールすべてで調子が良いとは限りません。
ショットが乱れたときに戻れる基準があることは、スコアを大きく崩さないためにも重要だと思います。
4.練習場だけで終わり、ラウンドで検証していない
練習場とコースでは、条件が大きく違います。
- コースではライが毎回違う
- 一球ごとにクラブや狙いが変わる
- OBや池などのプレッシャーがある
- 基本的に打ち直しができない
- 傾斜地から打つ場面もある
練習場でうまく打てた方法が、コースでも同じように使えるとは限りません。
練習場では同じクラブを続けて打てますし、多少ミスをしても次のボールですぐにやり直せます。
しかし、コースでは一球勝負です。
本当に自分に合う方法なのかどうかは、練習場の当たりだけではなく、ラウンドでも確かめる必要があります。
「試行錯誤」と「練習迷子」は何が違う?
試行錯誤と練習迷子は、似ているようで大きく違います。
| 試行錯誤 | 練習迷子 |
|---|---|
| 解決したい課題が決まっている | 毎回課題が変わる |
| 一度に変えるのは一つ | 複数の部分を同時に変える |
| 一定期間続ける | 数球で良し悪しを判断する |
| 結果を記録する | 感覚だけで判断する |
| ラウンドで検証する | 練習場の当たりだけで判断する |
| 合わなければ元に戻せる | 元の基準が分からなくなる |
試行錯誤には、目的と検証があります。
練習迷子は、次々に答えを探しているうちに、自分の基準そのものが分からなくなっている状態です。
新しいことを試した回数が問題なのではありません。
何を改善するために試し、どのような結果になったのかを確認できているかが、大きな違いになります。
練習迷子になっている人の7つのサイン
次の項目は、練習迷子になりがちな人によく見られる傾向です。
正直に言うと、私にも当てはまるものがあります。
- YouTubeを見るたびにスイングの意識が変わる
- 練習へ行く前に、その日の課題を決めていない
- 数球当たらないと別の打ち方を試す
- アドレスやスイングの複数の部分を同時に変える
- 良かった練習内容を記録していない
- ラウンド中にも大きなスイング改造を始める
- ミスの原因を毎回スイングだけに求める
いくつ当てはまったら練習迷子、という診断ができるものではありません。
ただし、心当たりがあるなら、一度立ち止まって自分の練習内容を振り返ってみる価値はあると思います。
特に注意したいのは、ミスの原因をすべてスイングに求めることです。
実際のラウンドでは、クラブ選択、狙う方向、ライの判断、力みなど、スイング以外の原因でミスすることもあります。
スイングを変える前に、本当にスイングが原因だったのかを考えることも必要です。
レベルによって固定する課題は変わる
一定期間取り組む課題は、目指すスコアによっても変わります。
もちろん、次の内容は一般的な目安です。同じスコア帯でも、抱えている課題は人によって違います。
100切りを目指す人
- OBを減らす
- チョロや大ダフリを減らす
- グリーン周りから一度で乗せる
細かなスイング理論を毎回変えるよりも、まずは「ボールを次に打てる場所へ運ぶこと」を優先したい段階です。
ティーショットでOBを打たない。
セカンドショットでは、無理をせず前へ進める。
グリーン周りからは、一度でグリーンに乗せる。
このような分かりやすい課題を一定期間続ける方が、100切りにはつながりやすいと思います。
90切りを目指す人
- 50ヤード以内から一度でグリーンに乗せる
- 3パットを減らす
- ダボ以上になった原因を減らす
90切りを目指す段階では、ラウンド後にダボ以上になった原因を確認し、それを次の練習テーマにする方法が有効です。
OBが原因ならティーショット。
アプローチのダフリが原因ならショートゲーム。
3パットが原因ならパッティング。
その日の気分ではなく、ラウンドで失った打数から次の課題を決めます。
80切りを目指す人
- アイアンショットの方向性
- 寄せワン数
- 1~2メートルのパット
- OB・ペナルティを打たない判断
このレベルでは、毎回違う技術を試すより、自分の弱点を記録し、一つずつ改善していくことが重要になります。
パーオン率を上げたいのか。
寄せワンを増やしたいのか。
短いパットを確実に決めたいのか。
すべてを同時に改善しようとせず、現在の自分が一番打数を失っている部分から優先します。
上達につなげる「一つの課題」の決め方
「スイングを良くする」「ドライバーを安定させる」といった漠然とした目標では、具体的な練習内容を決めにくいものです。
ラウンドで減らしたいミスへ置き換えると、課題がはっきりします。
- ドライバーを安定させる
→ 右へのOBを減らす - アプローチをうまくする
→ 30ヤードから一度でグリーンに乗せる - パターを良くする
→ 10メートルから3パットしない - アイアンの精度を上げる
→ グリーンセンターを狙い、左右の大きなミスを減らす
技術的な動きだけから課題を探すのではなく、ラウンドで減らしたいミスから練習テーマを決める。
遠回りに見えても、その方が実際のスコアにはつながりやすいと思います。
毎回違うことを試さないための3つのルール
ルール1|一度に取り組む技術課題は一つ
アドレス、テークバック、トップ、切り返し、インパクトを、一度にすべて直そうとしないことです。
その日のスイング中に意識する技術テーマは、一つに絞ります。
「OBを打たない」「アプローチを攻める」といったラウンド全体の目標を設定する場合も、スイング中に考える動きを増やしすぎないようにします。
考えることが増えるほど、体は動かなくなるものです。
私の場合、頭の中が忙しくなってくると、だいたい良い結果にはなりません。
ルール2|判断するまでの期間を先に決める
例えば、次のような期間を先に決めておきます。
- 練習3回
- 2週間
- ラウンド3回
これらは絶対的な基準ではありません。
新しい取り組みを数球で簡単にやめないための目安です。
もちろん、痛みが出る場合や、明らかにミスが増える場合、専門家から危険な動きだと指摘された場合などは、無理に続ける必要はありません。
一定期間続けることと、意地になって続けることは別です。
ルール3|結果を簡単に記録する
記録する内容は、簡単なもので十分です。
- 取り組んだ課題
- 許容できたミスと大きなミス
- 練習場での方向性
- ラウンドで同じ動きを再現できたか
- OB、ペナルティ、パーオン率などの結果
ナイスショットの数だけで判断する必要はありません。
右へのOBを減らす練習をしているなら、多少当たりが悪くても、右への大きなミスが減っていれば前進です。
感覚と結果を一緒に記録しておくと、続けるのか、少し修正するのか、やめるのかを判断しやすくなります。
ラウンド中は大きなスイング改造をしない
ラウンド中にショットが乱れると、その場でスイングを直したくなります。
私にも、その気持ちはよく分かります。
右へ曲がればフェースを返そうとし、左へ曲がれば体を止めないようにしようとする。そうして一打一打違うことを始めると、迷いはさらに大きくなります。
ラウンド中に確認するのは、次のような基本にとどめておきたいところです。
- 狙う方向
- いつものアドレス
- ボール位置
- リズム
- 最後まで振り切ること
大きな技術的修正は練習場で行い、ラウンドでは、その日に決めたことを実行することへ集中します。
最近のラウンドでも、「ショットは決めたことをしっかり実行する」ことを意識してプレーしていて、スイングに関しては、練習で意識したことを実行する事だけを考えています。
ナイスショットが出たかだけでなく、決めた狙いに対して打てたかを確認してきます。
まとめ|変えないことではなく、検証してから変える
新しい練習方法を試すこと自体は、悪いことではありません。
ただし、一度に複数のことを変えると、何が良くて何が悪かったのか判断できなくなります。
数球当たらなかっただけでやめてしまえば、新しい動きが身につく前に、また振り出しへ戻ることになります。
一つの課題を一定期間続け、練習場だけでなく、ラウンドでも結果を確認する。
それでも自分には合わないと判断できたら、そこで次の方法を試せばよいのだと思います。
ゴルフの上達に必要なのは、頑固に同じことを続けることではありません。
試したことが自分に合っているのか、一定期間かけて確認することです。
次の練習へ行く前に、また新しい動画を探すのではなく、前回取り組んだことをもう一度試してみる。
その積み重ねが、練習迷子から抜け出す一歩になるのではないでしょうか。
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